私と彼と彼らの5日間
こんにちは。
おたかです。
ゴールデンウィークに,久しぶりに前職の同期に会い,新卒のころの思い出がよみがえってきました。
日時:2004年5月ごろの約5日間の営業研修
登場人物
おたかをふくむ5人の新人&上司たち
おたか
ミクニ(男性。人なつこい性格でイケメンではないが好かれやすい)
ツクノ(女性。小さくて可愛い。)
ロレックス(男性。自信家。親からもらったロレックスの自慢が多い。)
サンダ(男性。穏やか。土日は地元でDJをやってる。)
オガワ(新人をまとめる営業成績トップの女性)
しゃちょう(前職の社長。喜怒哀楽が激しい。)
■営業研修の前日■
明日からの営業研修。
課題は,会社が発行している,フリーペーパーの新規ラック設置店開拓。
まだラック設置が少ないA市・B市・C市・D町をターゲットに,5日間で1人5件を開拓せよとオガワさんから指令。
前日に新人だけで,だれがどの市や町を担当するか話し合う予定が,
おたかとミクニ,ツクノは別の研修が長引き,話し合いはロレックスとサンダに任せることに。
3人「おくれてごめんなー。割り振り決めてくれたん?」
ロレックス「おー,俺とサンダで決めといたで。これでオガワさんにも報告済みやから。」
と,割り振りを見せられました。
おたか「え…?私とミクニでD町?しかも車は2人で1台?」
ロレックス「そーやで。じゃ,俺ら帰るから。」
とサンダとさっさと帰っていきました。
おいおいおい。
D町て一番お店少ない僻地やぞ。
しかも広いのに2人で車共有って,やりにくいやん。
新人だけで車2台しかないのはわかるけどさ。
ロレックスの担当をみると,一番お店が多い都会のA市。
おたかは確信しました。
あいつ…やりやがったな。
自分に有利なように,割り振り決めたな。
■営業研修1日目~2日目■
D町へ向かうおたかとミクニ
血気盛んな若かりしころのおたか。
移動中に我慢できず,ミクニに愚痴を言います。
するとミクニも「俺もそう思ってたでーおかしいよな。でも頑張るしかないなあ。」
ミクニ,いいやつやな。
2人で考えたのは,とりあえず大きなスーパーを1件狙い,
もう1人が徒歩圏内で行ける自営業のお店に新規開拓するということ。
2人とも「絶対5件も無理やろう」と絶望してたのですが,
自営業が多く,決裁をもつ人にすぐ会えるお店が多かったD町。
1日1~2件の開拓ができました。
中にはお仏壇屋や小さな雑貨やさんなど「そこほんまに必要…?」とつっこまれそうなものもありましたが,
新人ということで許されました。
オガワさんも,D町は大変やろうとわかってくれてたようで,私とミクニの車に乗り,フォローに回ってくれました。
■営業研修3日目の夕方■
5人は,オガワさんから,「そろそろ5件ほんまに行けるか厳しいか,教えてほしい。」と言われます。
おたかとミクニは,オガワさんのフォローもあり,見込みも高いものがあるので,何とか達成できそうです。
ツクノも粘り強く交渉し,見込みが立ってました。
ここで,ロレックスとサンダが,1件も開拓していないことが発覚します。
オガワさんが「きびしかったら私同行して営業するで!特にロレックスの担当のA市は決裁者いないところ多いはずやし。」と
救いの手をさしのべたにも関わらず,「いや,大丈夫っすよ。明日OKもらえそうな返事待ち3件あるし,今日2件は新規開拓するので」と
強気。
一方のサンダは,「僕はきびしいかも…営業がしんどいです。」と落ち込んでいます。
オガワさん,「わかった。とりあえず明日はサンダに同行して一緒に開拓しよう!時間があえばロレックスの方にも行くね。」
■営業研修4日目の夕方■
夕方,おたかとミクニが戻ってくると,研修部屋からしゃちょうの怒号が。
どうやら,ロレックスがしゃちょうに怒られているようです。
サンダは1件設置OKのお店があったようです。
オガワ「昨日のOKもらえそうな見込み3件って何やったん!一緒にいったら『そんな話聞いてないです』て言われたやん」
ロレックス「いやー,昨日行ったときの人はOKもらえそうって言ってたんですけど。今日その人いなかったですねー。」
オガワ「どうするの!?締め切りは明日までよ。」
ロレックス「大丈夫ですよ。明日返事の見込み3件あるし。明日即OKの2件見つけます。」
社長「おいオガワ!これくらい達成させなかったら,採用した意味ないからな!」
おたかなら,ぶるぶる震える案件です。
ロレックス,よく平気でいられるな…と関心しました。
■営業研修5日目の夕方■
オガワさんが1日中一緒に営業同行していましたが,結局新規設置0件のロレックス。
夕方新人が研修部屋に集まると,ロレックスの言い訳が止まりません。
「A市はチェーン店が多いからさ,OKもらえるまで1週間かかるところが多くて。」
「来週くらいにOKもらえそうやから,俺も目標は達成できそうやし。」
「D町はいいよなー,すぐOKもらえる地域で」
許されるなら,ロレックスの両頬をビンダしてやりたい。
この後におよんでまだ強気。
素直に助けを求めればよかったのに。
研修終了後,オガワさんが総括しました。
ロレックスに報告・連絡・相談の大事さを伝えてましたが,
響いていなさそうでした。
結局ロレックスは次の週になってもOKもらえたところはなし。
しかし次の営業研修が始まり,そのことはうやむやになってしまいました。
(ほんとはうやむやにしてはいけませんが)
■その後■
7月から研修期間が終わり,本格的に営業として働く前の6月末。
ロレックス,「俺,家業をつがないとダメになったから,やめるわー。」とあっさり退職。
辞める前の送別会のときも,
「営業って,思ったよりおもしろくないな」
「俺やったら,この会社をもっと○○するのに」としゃちょうに言ってました。
幸いにも,しゃちょうは酔っ払ってたので,記憶になかったようです。
ちなみに,サンダも「俺は営業に向いてないわ」と思い,一緒に辞めていきました。
この研修でおたかが思ったことは,
「助けが必要なときは素直に言う」
「取り繕ってもすぐばれる」
「自分に不利なことも正直に報告する」
です。
さて問題です。
最初に言ってた,ゴールデンウィークに会った同期はだれでしょう?
もちろん,ロレックスではありません!!