「あとでね」を言わない

こんにちは、Y・Yです。

国語チームに属する私は、日々文章を読むのが仕事です。その中には忘れられないものもあります。

その一つは湯川秀樹の文章で、ある随筆で母親について触れています。

小さい頃の湯川は、母親が親しんでいた「婦人之友」を読むのが好きで、ときに母親に「これ、どういうこと?」と質問をすることもあった。そんなとき、母親は何をしていてもすぐに手をとめ、直ちに正確な説明をしてくれた。 「あとでね」などとは決して言わなかった、そうです。「そういう時の母の目が、子供ごころにもなんと美しく見えたことか!」と言ってます。 私も息子にそう言われてみたいものです(息子はいませんが)。

この文章を初めて読んだとき、うちの娘は3才か4才くらいで、まさに「これなに?」「それなに?」「どうして?どうして?」と 聞いてくる無間地獄にいた私は、湯川母の凄さに衝撃を受けました。 「私ももう少し親身に子どもに向き合おう」と思いました。しかし、ぜんっぜん守れませんでした。。。 一緒のことができるとは思っていませんでしたが、そもそも「あとでね」を言わないというのが至難の業です。

現在その娘も8才になりましたが、ふとその文章を思い出すことがあり、「娘の話をきちんと聞かなくちゃ」という戒めにしています。