大阪のチベット
私はどう答えたらいいのだろうという質問がある。
「どこの出身ですか?」という質問だ。
一つのところに、長くとどまることなく、ざっと9カ所ほど、
住む土地がかわった。
私の出身と呼べる地はどこだろうと考えるとなやんでしまう。
土地や人と長く密接につながってきていない分、さみしい気持ちも
人一倍ある。
だけど、私なかのふるさとは、
きっと今の自分を作ったのは
2,3歳のころ住んでいた
「山中渓」だと思うようになった。
毎日、野をかけまわり、川遊びをし、いっぱい花を摘んだ。
その記憶が何よりも、きらきらしているからだ。
父は、いつも自然いっぱいの山中渓を
大阪のチベットと呼んでいた。
趣味の写真の展示も終わったことだし、
山中渓に行きたくなってきた。
遠いような近いような私のチベットに…
眠り猫でした。