「あん」
おひさしぶりです。Lady_stardustです。
9月に亡くなった樹木希林さん。
突然の訃報に日本中が悲しみにつつまれました。
樹木さんといえば,やはり,富士フイルムの一連のCMですね。
当時,学校の集合写真のときに,
「えー,わたし前ヤダ~」などと言いながら全然整列しない女子にむかって,
「美しい方はより美しく、そうでない方はそれなりにしか写らねーよ」とうっかり言ってしまい,
場の空気を氷らせました。なつかしい。
その樹木さんの最後の主演映画が,河瀬直美監督の「あん」です。
ものすごーーーーく良質の作品なので,ひとりでも多くの方にご覧いただきたいのですが,
僕はやはり,原作の小説になっちゃいます。なんせ,ドリアン助川の作品ですからね。
ドリアン助川といってどのくらいの人がピンとくるのかわかりませんが,
彼はアメリカを代表する現代音楽家のひとりパティスミスのようなポエトリーリーディングを主体とした
ロックバンド「叫ぶ詩人の会」のフロントマンだった方です。
金髪先生なんてよばれていたときもありました…というような内容は,
以前にもブログに書いたかと思います。
その彼が書いた「あん」ですが,本作はハンセン病を通して
生きることとはなにか?という普遍的な主題を扱っています。
実家の近所に、ハンセン病の国立療養所があり、
その昔、地元の幼稚園や小学校では、
子ども達が慰問に行くという活動がありました。
ちびっ子だった私も活動に参加したわけですが、十分に理解できていなかった私は、
後年、高校生になり、正月のNHKの特番で、
ハンセン病患者のドキュメンタリーをみてしまって深く傷ついたのを覚えています。
当時、非人道的行為が最近まで行われていたということにショックを覚えたのでした。
何年かして、地元の療養所について調べてみると、
現存する最古の療養所であることを知り、またまたなんだか複雑な気持ちになったのを、
映画「あん」がふたたび注目されていることで思い出したのでした。