役に立つかどうかわからん古典トリビア(6)
わが庵(いほ)は 都のたつみ しかぞ住む
世をうぢ山と ひとはいふなり 喜撰法師
昔の方位や時刻は十二支によって表されていました。
方位の場合は、「東西南北」と十二支を一緒に使っていました。十二支で表す場合は、三百六十度を十二等分して真北を子(ね)として、時計回りに十二支をあてはめて使っていました。経線のことを「子午線」と言うのは、真北である「子」と、真南である「午(うま)」をつなぐ線だからです。また、人名の「巽(たつみ)」さんは南東の方角から、「乾(いぬい)」さんは、北西の方角からきたものです。
時刻の場合は、方位と同様に一日を十二等分して、その二時間を四刻に等分し、午前0時を中心とする二時間を子(ね)としました。昼の十二時を「正午」、その前後を「午前」「午後」というのは、十二時前後が「午(うま)」にあたるからです。
さて、もうすぐ節分ですね。今年の恵方は「西南西」です。「西南西」を向いて巻きずしを丸かじりして、よい一年にしましょう!
古池ケロリ