タクシー運転手Aさんの話
駅から自宅まで距離があるため、飲みに行って帰りが遅くなったときなどにはタクシーを利用します。
毎回同じ乗り場から乗るので、何人かの運転手さんとはすっかり顔見知りになりました。
そんな運転手さんのなかから、今日はAさんのお話を。
Aさん。
職業 タクシー運転手。
そのくらいの情報しか持っていません。
名前が書かれたカードが車内にあったと思いますが、確認したことはありません。
特に話がおもしろいわけでもなく(というか、ほとんど無言)、
イケメンというわけでもないのですが、
私はAさんのタクシーに乗ることをとても楽しみにしています。
その理由はBGMにあります。
運転手さんの多くはラジオをつけているようで、
芸人のおしゃべりが中心の番組やNHKラジオ深夜便が人気です。
たまに流行りの曲を聴いている運転手さんもいますが、Aさんは違います。
80年代のJ-POPです。
何年も前から何度もAさんのタクシーに乗っていますが、いつも80年代のJ-POP。
昨日はカルロス・トシキ&オメガトライブの「アクアマリンのままでいて」でした。
その前はC-C-Bの「空想Kiss」、その前は徳永英明の「輝きながら…」。
あの頃小学生だった私にとっては、懐かしくてテンションが上がる、すてきな選曲です。
Aさんは私の年齢を考えて、わざわざ80年代のJ-POPをかけてくれているのでしょうか。
「若く見える」なんて言われていい気になっていましたが、ただの年相応の中年女だったのか。。。
なんてことは思いたくないので、
Aさんはきっと、30年間ずっと80年代のJ-POPだけを聴き続けてきたのだと信じることにしました。
Aさんのタクシーに乗れますようにと願いつつ、今日も居酒屋へ向かうねえさんでした。