吾輩は…
大学3回生か4回生、就職活動をしていたころのことです。
とある会社の集団面接で、20代後半くらいの女性の面接官からこんな質問を受けました。
「みなさんを動物で例えると何ですか?Aさんから順番にお答えください。」
出たな、自分を例える系の質問!
A「わたしは友達からよく小動物みたいって言われます。また、人懐っこいところがあるのでチワワです。」
B「僕はマスコット的な存在なので、クマだと思います。プーさん的なクマです。」
C「わたしはマイペースで気まぐれなところがあるのでネコです。」
いやいや、これは自分が何に似ているかじゃないだろ?動物を介した自己PRが求められているんじゃないのか?何がプーさん的なクマだ。
当時から性根がひん曲がっていたおくらは、相次ぐモフモフたちの登場に、あえて逆張りしてやろうと考えました。ここでかわいい動物やカッコいい動物を自分に准えるのはセンスがなさすぎる。ならば…
おくら「わたしはGOKI…です!」
一瞬にして目がひきつる女性面接官。
ふん、想定内だ。勝負はここから!
「わたしはGOKI…のように生命力が強く、今まで病気で学校を休んだことはほぼありません。またGOKI…は触覚で空気の流れを察知して飛ぶそうです。(だから叩こうとしても逃げられるらしい。)わたしも世の中や集団の空気の流れを敏感に察知して即行動できる人間だと考えます。」
どや?!ネガティブイメージからのポジティブ自己PR!(実際にできるかわからんけど)
モフモフどもが並んで座る中にあえてぶっこまれた闇色のGOKI…。間違いなく目立った!
しかし……面接官の表情は変わらず、ケガレを見る冷たい眼差し。しばしの沈黙の後、一言。
「そうですか…」
だめだ、しくった。乾坤一擲のはずが、悪目立ちに終わった!
その後は個別の質問に移行しましたが、自分は特に何も聞かれず。案の定、お祈りメールが届きました。
さすがに反省しました。GOKI…はまずかった。無駄に細かい生態にまで言及したのもマイナス100点だろう。やはりモフモフが良いのだ。小ばかにしていたチワワやプーは間違っていなかった。…だがあくまでこれは自己PRチャンスのはず。
以下、考えて考えてたどり着いた、若い女性にも、いかついおっさんにも通用する(はずの)やつです!
「わたしはひよこです。最初はピーピー鳴くことしかできませんが、いずれは御社に成果という名のタマゴをたくさんもたらす立派なニワトリになって見せます!」
以後この質問されることなく、磨き上げた伝家の宝刀を抜く機会は訪れぬまま、烏兎匆匆ひよこなんて言える年齢でもなくなってしまいました。
若いみなさまは是非このアンサーでマイプランの入社試験を突破してください。(笑)
ちなみに別解
「わたしはクマケムシです。まだまだモフモフの体毛を揺らして、もぞもぞ歩くだけです。ですが成長し、羽化したらヒトリガ(火取蛾)になります。この虫は名前の如く、火にも突進する虫です。御社でも猛火のような困難に突っ込むくらいのチャレンジをして見せます。(反省してない)」